家を貸す時の注意点

転勤などで自宅を一定期間使わなくなったときには、家を貸し出すことより家賃収入を得ることができます。ただし、素人が簡単に手を出してしまうと思わぬ落とし穴がまっていたというケースもあります。
家を貸して後悔しないように、ここでは家を貸し出す際の注意点をまとめて紹介します。

家を貸す時の注意点

管理方法には3つの種類がある

管理方法には3つの種類がある
まずは、家を他人に貸し出すときには賃貸契約を交わす必要がありますが、素人がなんの知識もない状態で手を出してしまうと、大変な事態をまねいてしまうことがあります。
契約方法の正しい選択方法も含めて、ここでは3つの管理方法を詳しく案内していきます。

自主管理

その字の通りに、家の持ち主自身で管理をするのが「自主管理」です。自主管理の最大のメリットは、誰にも頼らないことからコストを抑えられることです。
ただし、賃貸契約はもちろん、入居者募集から住人との間で起こったトラブルにも自身ですべて対応しなければいけないため、素人が自主管理という選択をすることはおすすめではありません。

管理委託

管理委託とは、入居者募集から契約、クレーム対応などの賃貸業務全般を管理会社に任せる方法です。肝心の家賃回収もしてもらえるため、自宅を賃貸に出す際に最も多く選ばれている管理方法です。
賃貸契約には基本的に契約期間の定めがない「普通借家契約」と契約期間を貸主の自由に決められる「定期借家契約」の2つがありますが、管理会社に委託すれば貸主の希望や状況に沿った契約を結んでもらうことができます。
もちろん不動産のプロが契約するため、不備が出ることもなく、複雑な契約書類の作成もすべて任せることができます。
デメリットとしては管理委託費がかかることですが、その額は家賃の5〜15%が相場となっています。入居者募集からクレーム対応までしてもらうことを考えれば、それほど高額ではないと思いますし、選択する管理会社によって費用を抑えることができます。

サブリース

サブリースとは転貸とも呼ばれていて、家の持ち主が不動産会社に貸した物件を入居者にまた貸しする方法です。
サブリースのメリットは、借り手が見つからなくても毎月安定した収入が見込めることです。しかし、空き室リスクを不動産会社が被ることになることなどから、相場よりも賃料が低くなるというデメリットが生じます。

管理会社選びが重要

自主管理を選択する場合は関係ありませんが、様々なデメリットや手間や時間を減らすために管理会社を利用する場合は、依頼先がかなり重要となります。
管理会社はほとんどが不動産会社となりますが、会社によって得意分野と不得意分野がありますし、前項で案内した通りに管理委託費にも幅がありますので、時間をかけて慎重に選びましょう。
そのためには1社や2社に絞らないで、できるだけ多くの会社を比較することをおすすめします。
管理会社選びが重要

不動産会社を選ぶポイント

一つひとつの会社に直接電話をかけたり訪問する方法もありますが、今ではインターネット上に管理会社を一括で比較できるサイトも用意されています。
最終的には直接会って委託先を決めた方がいいですが、便利なサイトを活用すれば管理委託費や大まかなサービス内容を自宅にいながらでも比較することが可能です。
管理会社を比較するポイントは管理委託費以外にも、「管理サービスをどこまで対応してもらえるか」「どのような手段で入居者を募集してくれるのか」「管理件数などの実績と集客力」「管理業務報告の頻度」などが挙げられます。

住宅ローンが残っている場合は必ず事前相談を

住宅ローンが残っている場合は必ず事前相談を
住宅ローンが残っている場合は、家を貸し出すことにはいくつかの注意が必要となります。
マイホームをもつ際にはほとんどの方が住宅ローンを利用します。知らない方も多いようですが、住宅ローンは自宅を購入する専用のローンであるため、そこに自分が住むことが条件となっています。
それを他人に貸すには、現在組んでいるローンを事業者ローンに切り替えることが原則となっています。住宅ローンは他のローンと比べてかなりの低金利になっているため、金利がアップして負担が大きくなってしまいます。
ただし、転勤などでやむえない事情がある場合は、借入先の金融機関に相談すればローンはそのままで貸し出すことを許可してもらえるケースも多いため、必ず事前に相談してください。
また、住宅ローン控除を受けて税金が還付されている場合も、本人や家族以外の他人が家に住むことになると住宅ローンの控除が対象外になってしまうことがあります。
この先家に戻らないのであれば賃貸に出したときから住宅ローン控除は受けられなくなりますが、再び家に戻る場合は残存控除期間の再適用を受けられますので、管轄の税務署へ相談に行きましょう。

収支計画を立てよう

家を人に貸すことにより家賃収入を得ることが可能になりますが、貸し出す期間が短い場合は収支がマイナスになってしまうこともあります。
家には住んでいなくても固定資産税などの税金や火災保険もがかかりますし、マンションの場合は管理費や修繕積立金も発生します。
これらをカバーするためにも家を貸し出して収入を得ようとするわけですが、貸し出す前にリフォームやメンテナンスをしたり、途中で退去者が出て再度他の人に貸し出すには、原状回復費用も必要となります。
さらに他人に貸して家のいろいろな箇所にダメージを与えられたときには、基本的には敷金や追加費用を請求して修繕することができますが、自分が納得するまでにするには自己負担分が出てしまうこともあります。
このようなリスクを回避するためには、事前にしっかり収支計画を立てましょう。
収支計画を立てよう
まとめ

転勤などで自宅に一定期間住めなくなったときには、家を貸し出すことにより家賃収入を得ることが可能になります。
しかし、家を他人に貸すには難しい契約書の作成や、入居者募集や家賃の回収やクレームへの対応もしなくてはいけません。
家を貸す出すときには、自分で管理する以外にも管理会社を利用する方法もあって、そうすることで面倒な手続きも手間も省くことができます。
ただし、住宅ローンが残っていたり短期間で貸し出す場合は、ローンの金利が跳ね上がったり収支がマイナスになる場合もありますので、事前にきちんと収支計画を立てて、金融機関などにもきちんと相談したうえで実行に移しましょう。

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